GP(グレート パイソン) 86/28







■GP86/28 特徴


写真を見ていただくと分かりやすいですが、

GP86/28は、大きく弧を描いて、とても綺麗に曲がります。





これが、GP(グレート パイソン) の大きな特徴です。

粘りながらロッド全体が緩やかに反発することで

じわじわと魚にプレッシャーを掛け続けることが出来ます。


GP86/28はロッド全体が綺麗に曲がり、魚の引きが

ロッド全体に分散される為、ファイト時に魚の衝撃がアングラーへ

ダイレクトに伝わりずらく、急激にのされることが

少ないです。その挙動はゆったりしたものになります。


また、魚に対してですが、アングラーのリフト、ポンピングが

鋭角的ではなく、じわじわと伝わるためにファイト時に

魚が暴れることが少ないと感じます。


ファイトの初めから終わりまで 『泳ぎながら抵抗するマグロ』 を

まるで真綿で締め付けるように、じわじわとプレッシャーの効いた

リフト力をマグロに掛け続けることが出来ます。


GP(グレート パイソン) の名前の由来にもなった

『大蛇が大きな獲物に巻くつきながら、急速にではないが

じわじわと締めていく』 このようなファイトが可能です。

この特徴は、マグロとのファイトに於いて

特に有効であります。





■ずば抜けた粘り強さ


ロッドの剛性試験は、大型のサメを掛けて行いました。

写真を見ていただきましたら、お分かりになると思いますが、

ロッドパワーの90~95%位を使ったファイト(テスト)

をしています。





この状態は車やバイクのエンジンで言えば、レッドゾーン寸前と

例えられます。

スペック内のライン(~PE6号)では、ラインが切れると思われる

大きな負荷です。


相当な負荷が掛かっていますが、GP86/28 は

物凄い粘りで耐えています。本当に強いロッドだと思います。

GP86/28は粘りながら、魚をリフトしている感覚が

はっきりと分かります。

柔軟性があり、かつ、魚を上げる力を持つ、今までに無い

画期的なロッドに仕上がっています。





■遠投性能


ルアー キャスティングの場合、遠投をすることが魚を

ヒットさせることに有利に働くことが多いです。

特にマグロのナブラ打ちは遠投がヒットに繋がることが

多いと思います。船の付近のナブラはもちろん、船から遠い所の

『ヒット スポット』 にもルアーを打ち込むことが出来るために

ヒットの確立が上がります。


写真は、七里ヶ瀬で今年キャッチしたマグロです。

雰囲気のある鳥の方向に超遠投して、ドッカンと出ました。

ルアーは、γ140 オレンジ アバロンです。

この時のベイトは、イカとサンマでした。





GP86/28は凄い遠投性能が高いです。

理由はロッド全体の曲がりでルアーを飛ばすことが出来るためです。

このロッドの性質は、逆風でもルアーが飛びやすいです。

届きそうで、届かない、あと一歩飛距離が欲しい時に

GP86/28は活躍してくれると思います。


いいこと尽くめのようなGP86/28ですが、

BLCシリーズと対極の、このロッドの調子は、

小型ルアーのキャスティングでは、

ルアーの負荷が乗りずらい一面があります。

GP86/28のルアーのキャスティング適正は、

フローティング プラグですと、約100g~160g が投げていて

よいと感じます。


マグロのキャスティング ゲームの場合、どうしても

タックルバランスのズレが生じるのは仕方がありません。

『80kgのマグロを獲るために強いロッドが必要であるが、

ベイトが小さいのでルアーが軽い』

どうしても、この問題がマグロのキャスティング ゲームには

付きまといます。


GP86/28 の場合、8フィート6インチの長さがあります。

この長さを味方につけて 『遠心力でルアーを飛ばす』

という方法もあります。

ショート レングスのロッドではなかなか難しい話ですが、

8フィート6インチのレングスがあれば、十分可能になります。

遠心力を使った投げ方をすれば、フローティング プラグで70g位から

可能です。シンキング プラグは比重が高いので、40g位から

可能になります。





■GP86/28の対象魚


GP86/28の対象魚ですが、このロッドの

特性からマグロにお勧めです。

また、マグロ兼ヒラマサにもお勧めです。

対象魚のマグロのサイズですが、30~80kg位が、

このロッドのいいところを使ったファイトが出来ると思います。

日本近海でよく釣れるサイズのマグロに適しているロッドです。


GP86/28のロッドパワーは、扱いやすいパワー域であり、

強過ぎず、弱過ぎず、ちょうど、いい感じのロッドパワーです。

GP86/28の各セクションの繋がりはとても綺麗で、

スムーズにパワーを伝達します。

その性質は、とても扱いやすいものになっています。


写真のマグロは推定55kgです。

ファイトタイムは10分弱でした。

ロッド角を適正に、無理にリフトすることなく、

じわじわリフトしていると浮いてきました。

ロッドの粘りが生むプレッシャーにマグロが

降参したと思えるファイトでした。








■ヒラマサ、他の対象魚には


写真は GP86/28で上がった15kgオーバーのヒラマサです。

ロッドの柔軟性からか、ほとんど暴れずに上がってきました。

ルアーは160gの改造γです。





GP86/28は100g~160gのサイズのルアーを使用しての

ヒラマサ キャスティングによいと思います。

私は潮風の関係で、逆風でルアーを投げなければいけない状況の

ヒラマサ キャスティングにGP86/28を使っています。

周りの方が驚くほど、向かい風でもルアーが良く飛んでいます。


GTフィッシングには、GP86/28を使用したことが

ありませんので、よく分かりません。

GTにはGTの性質があり、GTで使いやすいロッドがあるので、

そちらを使っています。

GTフィッシングに GP86/28を使っても問題ありませんが、

やはり、GTとのファイトには、GTに向く性質の

ロッドがよいと思います。

GP86/28を普段はマグロ兼ヒラマサ狙いに使い、

年に1回のGT釣行でたまに使うという場合は

全く問題ないと思います。





■GP86/28の使用できるライン





GP86/28のスペック上のラインはMAX PE6号です。

GP86/28はロッドパワーが28Lbなので、

PE6号が上限です。

使用ラインはPE6号を推奨します。

ここまでは、メーカーとしての見解です。

ここからは、個人的な考えです。


私(開発 小西) はGP86/28にPE8号を使用しています。

GTにはGP86/28を使っていないので、

下記はマグロとヒラマサの話になります。


マグロ釣りは魚のサイズを選べません。

とてつもない大型マグロが掛かるかもしれません。

大物が掛かり、長時間のファイトになることを考えると

スピニングリールのライン劣化が気になります。

その為、私はGP86/28にPE8号ラインを使用しています。

ファイトはPE6号の負荷内でファイトします。

PE8号の使用は、ライン劣化を糸の太さでカバーするという考えです。

あくまで、PE8号は安心の為であり、糸が太いから切れないといって、

適正負荷を無視した行為は、オーバーロード(過負荷) を起こし、

ロッド破損に繋がります。適正負荷を守った使用が大切です。


ヒラマサもGP86/28にPE8号を使っています。

PE8号を使う理由は、超大型ヒラマサのヒットに備えてです。

超大型ヒラマサが掛かり、そのファイトで窮地に立たされた時の

最後の砦と考えて、GP86/28にPE8号を使っています。

普段のファイトはPE6号の負荷内でファイトします。

スペックを逸脱した使用は保証対象外となる行為なので、

メーカーとしてはお勧めは出来ませんが、上記の理由から

私はGP86/28でPE8号を使っているということを

お伝えします。





■GP86/28 動画


下記アドレスをクリックいただきますと

GP86/28でのロッドの曲がりが見られます。


今年釣れた 七里ヶ瀬のマグロ30kg弱です。

ファイト時間は2分強くらいです。

緩やかにリフトしているだけでマグロが浮いてきます。

このクラスのマグロだとロッドのリフトが勝って、

楽々のファイトです。


8.6フィートを感じさせないファイトのしやすさも

GP86/28の凄いと感じるところです。


※ロッドネームが決まる前にYOU TUBEに

アップしており、動画の中では名前が

『86Feet Proto』 になっています。


こちら








■GP86/28 スペック 価格


●全長 8フィート6インチ (2610mm)

●継数 1&H

●仕舞寸法 1895mm

●Line ~PE6号

●Lure wt. 90~180g (遠心力で投げる方法なら70g~可能

高比重のシンキングルアーは40g~可能))

●Max ドラグ 13kg (※1)

●Rod wt. 400g (※2)

●Grip Lgth. F.G=250mm R.G=430mm

●Guide Type MNST16~MNSG40

●Real Seat DPS SD22 (ダウンロック)


※1 MAXドラグ = ロッドアングル 0度の場合

※2 プロトタイプ自重