■ロッドを長くご愛用いただく為に

このページでは、ご購入いただきましたロッドを長くご愛用いただく為の方法をお伝えします。ロッドの破損は、ほぼ事故によって起こっています。ロッドの事故は少しのことで防ぐことが出来ると思います。私が釣り場で見たことを交えて説明をさせていただきます。

(解説 製品開発 小西)



■カーペンターロッドは長くご愛用できます。

カーペンターロッドは ”売る為のモデルチェンジ” は一切行いません。故に、アングラーの愛竿として長年に渡り、ご愛用いただけると確信しております。また、カーペンターロッドは、ロッドに持たせたコンセプトを変えません。変える必要がありません。なぜなら、テストから得たノウハウを基に必要な性質を見極めて、きっちり構想を練り、コンセプトを打ち立てられた物だからです。狙った性質のロッドになるまで、とことんテストを行います。ロッドのひとつ、ひとつの機種がきちんとした意味を持っています。

例えば、BC(ブラックカレント) シリーズなどは、リリースして年月が経っていますが 『とても使いやすい』 と多くのアングラーの方から愛竿として現役でお使いいただいております。カーペンターロッドのブランクスはたいへん耐久性がある方法で作られてます。へたりに対して、とても強く出来ています。また、物理的にも長持ちします。



■下記が気をつけたい、主な事故の原因

■船のロッドホルダー上部のライトや金具や突起物の干渉が危険!

多くの遊漁船にはロッドホルダーが付いています。私達は何気なしに、ここへロッドを挿していますが、ロッドホルダー上部に ライトや金具や突起物がある場合があります。船で移動中、船は波でピッチングやローリングを繰り返しています。これによりロッドも揺られます。ロッドホルダー上部に ライトや金具や突起物がある場合がある場合、船がピッチングやローリングを起こす度に、ロッドがたわんでライトや金具や突起物に当たり、折れるケースがあります。

私の試作ロッドもポイントの移動中に、次のポイントに到着して見たら折れていました。船のライトの角に、船が揺れるとロッドがたわみ、当たるので、もしかして・・・と思っていたら、その釣行で、まったく同じ場所にロッドを挿されていた方も同じく折れました。2本も折れたので、原因は船の揺れでライトの角にロッドが当たったことで間違いないと思いました。この教訓から、今ではロッドが何かに干渉する恐れがある場合は、そこへは挿さない、または干渉しない短いジギングロッドを挿すようにしています。

折れるまではいかなくても、ロッドと船の何かが干渉することで、ロッド表面が削れたこともありました。酷いとこれが原因で折れることも考えられます。干渉した物がツルツルの場合、ロッドに傷はほとんど入りませんが、波を受ける度に、ロッドがガンガン当たったことで、見た目には分からなくても、破損の原因が起こっている場合があります。私はロッドホルダーにロッドを挿す時は船の揺れでロッドがたわんでも干渉しないかどうかを確認して挿すようにしています。



■ロッドのジョイントの緩みは危険!

これは、過去にも何度も話をさせていただいておりますが、ロッドの差込が緩いとトラブルが起こります。差込が強過ぎるもの、トラブルになります。加減がありますが、文書や口頭での説明が難しいです。きちんと知識を持った店員さんや私に会う機会がありましたら聞いてください。ロッドのジョイントに蝋を塗るとジョイントの保護や抜け防止になりますが、塗り過ぎは逆にジョイントがきちんと入りきらなくなり、破損の原因になります。(蝋は薄く塗り、厚く塗らない)蝋を塗る前に、ジョイントがどこまで入るかを確かめ、マークを入れるなどの対策をすると安心です。



■運搬中、輸送中の事故

運搬中、輸送中に事故でロッドが折れているケースがあります。梱包材で保護すると良いです。一番重要だと考えるのはロッドティップを数本のロッドを束れることで強度を持たせることです。特にライトロッドは、他のパワーのあるロッドと束ねると折れにくいです。もし、1本のロッドの場合は、強度のある棒を使い、ロッドに添木をしてやると良いです。海外、国内 幾度と釣行をしましたが、私は今まで、この方法で運搬中のロッドの破損は一度もありません。



■上出しの排気管やハロゲンランプの熱は危険!

最近では、あまり見なくなりましたが、エンジンの排気管が水中ではなく、船体から空中へ出ている物があります。(特に漁船)ここは、排気ガスで、とても熱くなっています。ここへロッドが当たっていて、熱でロッドの先端が、何の抵抗もなく折れたことが大昔、あります。また、気をつけたほうがよいのが、船に取り付けられているハロゲンランプです。これも熱を持ちます。ロッドは熱に弱いです。ロッドのブランクは、カーボンと樹脂で成り立っています。樹脂が熱でやられます。熱が原因でロッドが折れた場合は低負荷で ”ふにゃ” と折れます。



■ロッドのキャスティングレールへのぶつけは危険!

はしごや手すりなど小型船には乗員が落ちないように金属のレールがついている物が多いです。遊漁船では特に、キャスティングレールと呼ばれるフロントデッキにレールを付けた物が多いです。レールへのロッドのぶつけは、ロッドへのダメージが強いと経験上感じています。時々、キャストをミスしてロッドをレールへ当てておられる方を見ます。キャスティングが上手な方でも、キャスティング時のスイングのストロークが長い方はレールへロッドが当たることがあります。レールの特徴はステンレスで硬く、形状は細いです。硬くて面積が少ない物に、スピードがあるロッドが当たると・・・そのダメージは想像できると思います。

私も過去に、船のステンレス製のはしごにロッドを当てて、次のファイトで、ポキッと折れたことがあります。また、テストをお願いしていた方も同じ事がありました。大型魚とのファイトで魚に体ごと持って行かれてロッドをレールや船べりやアンカーなどに当ててしまうことがあります。(私も時々あります)これでロッドを折られた方を何度か見ています。ファイト中は必死なので、ロッドを当てていても気づいていない事もあります。船のステンレスのレールは、表面がツルツルしていて当たってもロッドに傷がほとんど付かないです。その状態は ”ダメージが目では見えない” と言えます。

もし、強くぶつかって不安な場合は『吊り上げテスト(有料サービス)』 を行い、致命的な損傷が起こっていないかどうか確認を行います。私の経験上、ロッドがレールや硬くて面積が少ない物にぶつけることのダメージは相当あると認識しています。船の上では、私はそれらを起こさないように出来る限り意識して注意して行動するようにしています。(意識して注意していても、大型魚とのファイトではなってしまうことがありますが・・・)もし、当ててしまった場合は、次の使用に不安が残るので 『吊り上げテスト』 を行い、ブランクに破損がないか調べています。ロッドを極力、物に当てないことを心掛けることが大切だと考えています。



■ロッドのガイドに掛けたルアーを外す時が危険!

ポイント移動の時などに、ロッドのガイドにルアーの針を掛けているアングラーの方が多いと思います。私もそのようにしています。外す時にルアーを引っ張ると、同時にラインが引かれて、ロッドの先端部が鋭角に曲がろうとして過度なストレスが掛かります。これにより破損することが考えられます。過去に破損の事例はあります。勢いよく引き、引っ張る距離が長い場合は破損の確立が上がります。ポイント移動の時などに、ロッドのガイドにルアーの針を掛けている場合、波などの振動でリールのハンドルが回されて、思いのほか、ラインがパンパンに張っている状態になっていることがあるので注意が必要です。基本的にラインを緩めてから外すことが大切です。リールのベールを返して、ラインを緩めようとすると、むしろラインが張られることになりますので危険です。良い方法はリールのドラグノブを回して、ラインを緩める方法が良いと思います。

ロッドの調子を見るのに、自分でロッドを持ち、自分でラインを引くことも、上記説明と同様に危険です。他メーカーのロッドですが破損された方がおられます。ロッドの先端方向に対して真逆の方向への負荷はロッドにとって一番ストレスを受けやすい状態なので、どのような時も避けることが大切だと思います。



■船で移動中に掛けていたルアーが外れて暴れると危険!

船で移動中に掛けていたルアーが外れて暴れることがあります。その時にルアーがロッドに当たったり、ラインがブランクに巻いたりして折れたりすることがあるようです。私や周りでは事例はありませんが、これによるロッドの破損は時々聞きます。プラグは勿論、重くて硬いメタルジグは、特に破損の危険があります。メタルジグがブランクを叩くとダメージが考えられます。弾性の高い素材のライトロッドは特に注意が必要だと思います。移動中、外れないようにバンドで括るなどの対策が良いと考えられます。



■ルアーがロッドに当たると危険!

この破損もよくあります。ロッドにルアーが当たると相当なダメージがあります。ロッドにルアーを当てて、次のキャストでロッドが折れた方が同船者の方でおられました。もし、ロッド立てが空いてるなら、キャスティングのスペース近くにあるロッドは、キャスティングのスペースから出来るだけ遠ざけておくことがよいと思います。



■車のサイドの開閉ドアやパワーウィンドウが危険!

車のドアでロッドを挟んでしまい破損したケースやパワーウィンドウでロッドを詰めてしまう事故も時々あります。特に怖いのが、車のサイドの開閉ドアです。ロッドのエンドが動かない状態、かつ、ロッドの先端がドアの内装側の凹部に刺さっている状態になっている時にドアを開けてしまうとロッド折れの危険性があります。自動の開閉ドアでも危険です。通常、自動の開閉ドアは負荷が掛かると、ドアの負荷センサーが働き、ドアがストップしますが、ライトロッドでは、ドアの負荷センサーが働かない場合があります。(経験済み)私はロッド折れは免れましたが、ドアが開いていき、ロッドが見えたときはロッドの先端は、超U時になって、折れる寸前でした。折れていても、おかしくない状況でした。



■愛竿を末永く

ロッドの事故は、ちょっとした注意で防ぐことが出来ます。少し注意で末永く愛竿をご愛用いただけます。