ゼウス デビューにあたりまして




 ●ゼウス デビューにあたりまして 


 (是非、お読み下さい)



 



 シンキング GTペンシル ゼウスが2014年秋 デビューします。

 テスト釣行では多くの実績が出ていています。

 GTの活性が上がらない時に特に有効だと感じています。

 活性が低い中、ゼウスがずば抜けた釣果を出してくれた釣行もありました。

 使いこなせれば、GTフィッシングの一つの新しい武器になると考えています。


 シンキング系ルアーのパンドラも同様ですが、ルアーの素材がウッド(木)で出来ています。

 ウッドルアーはアクションが良く、魚を誘うアクションが出やすいと感じています。

 しかし、万能ではありません。

 ウッドは吸水が起ります。特に水中へ沈めるウッドルアーは吸水が多く、

 ボディやホログムシート等の粘着材が過酷な条件にさらされます。

 長期に渡り、吸水の問題に於いて試行錯誤して改善をはかっているのですが、

 パンドラ ゼウスは吸水が起ることでの不具合が時々、起ります。


 不具合とは具体的には、吸水によるウッドのひび、吸水により膨張した木が塗装を広げることで

 塗装面にひびが入る(ホログラムなど、シート類との境が特になりやすい)

 動きに於いては、吸水によりバランスが変わり、狙いの動きが出なくなり、結果ヒットしなくなる。

 これは、トップウォーターのウッドプラグも同様に起ることですが、

 シンキングルアーは動きを目視が出来ないので、起っていても気が付かない場合があります。


 4〜5年前から色々な素材をテストしており、発砲樹脂でのテストも行っております。

 耐吸水性に於いては素晴らしく、発砲樹脂は無吸水です。

 しかし、こちらも万能ではなく、比較的素材が脆い為 割れの問題があります。

 また、木(ウッド)ルアーとは動きが異なります。

 割れにくくする為に硬度を上げた発砲樹脂は狙いの動きが出ずに、

 よくないと感じています。


 釣果と耐久性を兼ね備えた万能素材は今の所、無いというのが現状です。

 ウッドルアーの吸水に於いて研究は継続して行っておりますが、

 現状、申し訳ございませんが、木の素材特性として致し方ないと考えています。


 そこで、少しでも長く御使いいただくための使用方法を 下記にいくつかご紹介させていただきました。


 また、少し前にカーペンターHPでお知らせをしました接続金具の話ですが

 『打ち抜きリング + スプリットリング』 がリーダー切れを起こすかもしれないという

 話も下記に紹介いたしました。


 特に、ゼウスは先端が細いので鋭角的な動きをします。この動きが特にリーダー切れを

 助長させているのではないかと考えます。

 私が実釣でゼウス、パンドラで何度か起っている現象です。

 ご参考にしてください。



 ■ウッドルアーを長持ちさせる方法


 ●吸水は使った時間に比例します。また、魚がヒットして深く潜ると一気に吸水が進みます。

  一つのルアーを長時間使うとどんどん吸水が進みます。

  吸水が進めば進むほど、トラブルが起る原因になります。

  既に実践をされておられる方は多いと思いますが、3つくらいをひどい吸水が起る前に

  取り替えながら使うことをお勧めします。

  吸水が酷く起ったルアーは、干してもなかなか乾燥しない場合が多いです。

  軽い吸水ですと、乾燥もしやすく、復活しやすいです。

  “吸水” を “疲れ” とするなら、人間で言うと 疲れが溜まる前に早めに休息すると例えられると思います。

  一つのルアーをめいっぱい使うよりも、いくつかをローテーションさせる方法をお勧めします。


 ●使った後は、陰干しをする (直射日光や温度を掛けての強制乾燥はよくないと感じています)

  キズがある場合は元の重量になるまで乾燥させてウレタン塗料で補修する。

  高温の場所で保管しない。

  ルアーは購入後は袋から出して保管する (これは断言出来ませんが、長期の袋の保管は経験上、

  劣化を早めるような気がしています)

  ホログラムのシートの粘着材にも寿命があります。また、ウレタンは塗料の中では長寿命と言われていますが

  これにも寿命があります。経年変化はあると考えています。



 ■接続金具につきまして (もしかすると・・・ 切れるかも・・・)

  暫く前に、テスト釣行レポートに書きました内容を写真で補足の説明をさせていただきます。


  昨年、GT釣りでファイト直後に負荷が大きく掛かっていない状態での謎のリーダー切れが3回あり、

  ずっと理由を考えていました。

  もしかしてと思う原因が見つかりました。

  絶対と断言は出来ませんが、どうもこれが糸切れの原因のような気がしています。

  糸切れはGTシンキングルアーのアクションをワンピッチのメリハリのある鋭角的なアクションに

  変えた時期とも重なっていて、たぶん、下記の理由で糸切れを起こしたと考えています。



 ●ロッドの説明会や釣り場などで私は 以前、リーダーとルアーの接続に

  “打ち抜きリングとスプリットリングの組み合わせ” 使用していると説明をしていましたが、

  この方法は糸切れを起こす可能性があることに気が付き、現在は行っていません。


  “打ち抜きリングとスプリットリングの組み合わせ” は

  ゼウスやパンドラなどのシンキングの自走しやすいルアーをしゃくるようにアクションさせた場合に、

  スプリットリングが打ち抜きリングに結ばれているリーダーを攻撃してしまい、傷が付いて、そのダメージから

  ファイトで糸切れを起こすことがあると考えています。


 ※切れる理由はリーダーとスプリットリングが同一の穴にある為に干渉が起る(下記、写真参照)




 ルアーが引っ張られている時は攻撃しない。

 ラインスラックが出た時にスプリットリングが

 ルアーの慣性で前へ押し出されて、

 同一の穴にあるリーダーの結束部を

 スピリットリングの巻の端部が攻撃する。

 これが糸が切れる原因ではないかと考えています。


 ※パンドラ ゼウスはシンキングルアーなので

 重量があることと先端が細いので慣性が大きいことが

 この現象を助長していると感じます。

 (特にゼウスは先端が細い)

 特にゼウスのアクションは鋭角的なワンピッチなので、

 アクション毎にスプリットリングとリーダーの干渉が起る。


 ※トップウォーターのペンシルでは、これが原因と

 思われる糸切れは経験したことがない。




 今年(2014年)から “スイベルとスプリットリングの組み合わせ” を使っていますが、リーダー切れはありません。

 スイベルの場合、リーダーを結ぶ所とスプリットリングを通す穴が別々な為に干渉がない為ではないかと

 考えています。


 もし、シンキングルアーをお使いで、リーダーとルアーの繋ぎを “打ち抜きリングとスプリットリングの組み合わせ”

 で行っていて、リーダーの根元が謎の糸切れを起こした経験がある方は、”打ち抜きリングとスプリットリングの

 組み合わせ” が原因しているかもしれません。


 ゼウスは特に上記、現象の糸切れが多くなる傾向にあると経験上感じています。

 同様の理由から、ジギングも今年から “打ち抜きリングとスプリットリングの組み合わせ” を止めています。

 トップウォータープラグは問題ないと思いますが、シンキングペンシルとのタックルを共通にしているので、

 現在はすべて “スイベルとスプリットリングの組み合わせ” にしています。


 ゼウスのリリースにあたり、2つの内容をインフォメーションをさせていただきました。



 カーペンタールアー設計 小西



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