■ルアー洗浄の必要性

ルアーの洗浄が不十分で、ルアーに塩分が残っていると金属部分に錆び、腐食が起こります。錆び、腐食が起こると、ワイヤーやクレンサルカンの強度が低下して魚が掛かったり、キャスティング時に負荷が掛かるとワイヤーの断線やクレンサルカンの分解を起こします。金属部品は、ルアーの強度に関係がある部品です。使用後は下記の方法でルアーの洗浄を行い、塩分を除去して錆び、腐食を防ぎます。

ルアーは新品時から、下記の洗い方をしていないと錆び対策としての効果がありません。既に金属部分に錆が出ているルアーや見えていないがルアー内部の金属部品が錆びている可能性が考えられる物は、ワイヤー、クレンサルカンなどの金属部品の交換を行ってください。




■ルアーの洗浄の方法

※シャワーでルアーに水をかけるだけでは、塩分が残り、錆び、腐食の原因になります。ルアーを使用後は毎回、ルアーを温水に浸けて内部の塩分も洗浄を行います。

※釣行で使用後は出来るだけ早い洗浄がよいです。長期間放置すると、どんどん錆びが進行してしまいます。



まず、ルアーからフック、リング、接続金具を外します。ルアーにフックを付けっ放しにしていると、ルアー後部のワイヤーが錆びた針から貰い錆びを貰い、ワイヤーが錆びます。ワイヤーの錆びはステンレスの不動態皮膜の形成を阻害してワイヤー内部へ錆びの浸透を起こしてワイヤー断線の原因になります。



バケツ たらい プラケース などルアーが入る大きさで水が溜められる容器を用意します。



温水(35度前後)を容器に溜めます。ルアーを入れます。最初は、ルアーに塩分がベトベトについているので、すぐに温水を交換します。完全に汚れた温水を捨てます。再び温水(35度前後)を容器に溜めて、1分間位、手でルアーをザバザバ洗います。



1分間、ザバザバ洗ったら、汚れた温水を完全に捨てます。



再び、温水を入れて、今度はルアーの全体が浸かるように手でルアーを温水へ沈めます。(3分間)ルアーの頭の部分も完全に押さえて沈めます。沈めながら、揺すり洗いをします。※3分以上漬けると吸水の問題があるので、長過ぎないほうがよいです。

※手で3分間押さえるのが大変な場合は、何か押さえられるふたの様な物があると便利です。



汚れた温水をすべて捨てます。



再び容器に温水を入れて、今度はザバザバ洗いながら濯ぎます。濯ぎを2~3回行い、完了です。



ルアーをよく振ってルアー内部の水を出します。その後、タオルに並べて乾かします。この時、エアコンを3~4時間かけて部屋の除湿をしています。2~3日間タオルの上で乾かした後、完全にルアーが乾いたことが確認出来たら、ルアーの重量を秤で測定します。吸水したルアーは、シリカゲルの乾燥箱へ入れて、元の重量に戻るまで乾燥をさせます。



■ボールベアリング スイベルも漬け置き洗い



ボールベアリングスイベルも塩分が付着したままだと腐食を起こして分解してしまいます。昔、漬け置き洗いをしていなくてボールベアリングスイベルが分解したことがありました。ボールベアリングスイベルも毎回、温水で漬け置き洗浄を行います。ボールベアリングスイベルは金属の為、吸水しないので長時間 (2~3時間) 温水に漬けて塩抜きしても問題ないです。



■断線例



断線したワイヤーと半円型の錘に出ている緑青(ろくしょう) 半円型の錘の付近のワイヤーに塩分が確認出来る。きちんと洗浄が出来ていない。緑青が少しでも出ていれば、ワイヤーやクレンサルカンも腐食が進行している確立が高いです。



特に酷い腐食の例です。まったく洗浄が出来ていません。ルアー後部の半円型の錘に緑青 (ろくしょう) がたくさん出ています。





これも酷い例です。緑青が出ているクレンサルカン 洗浄を怠っており、塩分の塊が確認出来ます。付着した塩分は、金属を腐食し続けます。クレンサルカンの分解に繋がります。





塩分が残り、ワイヤー表面に変色が見られる。台座金具にも塩分が確認でき、その塩分に緑青が見られる。





洗浄不足で錆を起こして、断線したワイヤー。ワイヤーの断線は、ワイヤーのどの箇所でも起こります。使用後の洗浄がとても大切です。長期間使用したルアーの金属部品や負荷が掛かったワイヤー、クレンサルカンは消耗するとの見解です。錆びたり、長期間使用したルアーや負荷が掛かったルアーの金属部品は定期的に交換をお勧めします。